Ryuji Koyama Architect
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七輪茨木店

郊外型焼肉店の設計をさせていただいて5店舗目になる。

  私はこれら郊外型焼肉店に対してかねてから考えてきたことは、通常の店舗ではインテリアに属する機能というものを、できる限り建築が本来持っている必要不可欠な構造と設備インフラのみのものとして成立させたいということだった。

  つまり、内装の意匠性をその店舗建築そのものの持つ構造と融合させ、表層的なデザインではない必要性を伴った建築空間とも言うべきもので解釈したかったのである。

 食文化の中でも焼き肉は、食べる環境を選ばないものである。「焼き肉」と聞いてイメージする状況は、海辺や川辺、あるいは山の中等アウトドアレクリエーションと結びついたものであったり、大人数が集まった時に手早く食べられる料理であるから、本来建物は無いのが好ましいと言えるかもしれない。ところが店となればそうともいかず、建物が必要になるという矛盾が生じてしまう。そして、その矛盾を解決することが、建築という行為なのである。私は大型店でありがちなうわべだけのインテリア的発想の建築を見て、本来の姿へ整理し、その「融合」をしたいと考えた。

  「人は本来もっと簡素に生きられるのではないか」、そんな想いの建築的表現として。  鉄骨造の建物と木造の建物をそれぞれに完成された棟として融合させた結果、合成された空間が生まれるように考えた。鉄骨造の棟は天井が高く、無造作に排煙ダクトと七輪が並ぶ場所で、出来るだけ広くその構造で包まれるようにした。木造棟は座敷扱いとして、その木組を見通せる空間とした。  互いに入り込みあった両棟の間の通路には、面としての人工照明であると同時に、西日を受けて光を映し出すフロストガラスのスクリーンを立て、2つの棟を融合させる路地空間として演出を行った。これは、この建物の中で唯一のインテリアであり、簡素な構造体の中に1つしのばせた意匠である。  この地域の重要な幹線道路となる前面道路からは一段高く、また地域住民の散歩道である裏手河川の土手からは一段低く位置するこの店舗は、様々な視点から見ることができ、結果として建物そのものの構造が表出することで、焼き肉を食する一場面のイメージの喚起にもつながっていくことを願う。