私達が大切としているもの
 

  「計画されたものが姿を見せ、作り手を離れて(物)となって現れたときに、どれほどの言葉おも越えて、その姿、空間が物語ってしまう」ということを強く意識します。
つまり、建築のデザインをするということは、そのプロセスを通して、結果としてひとつの答えを持った物と化す行為で、出来上がったものが、クライアントと共有した考えを、
「体験」する「環境」として伝わらないといけないと思っています。
そしてそれは、
現在をきちんと捉えたものならば、次世代をも彷彿し、反映する斬新さを備えた物になるのだと考えます。
建築家の職能とは、隠れている条件を可能な限り抽出し、整理して行くことだと考えます。
その為にもお客様とのコミュニケーションを最も大切にしたいと考えています。

 「音楽」が人の感情に響くように、建築に於いては 「その場に感じる空気感」があるが故に、その建築を体験した人に豊かな影響を及ぼすものと考えています。
例えば、教会に入った瞬間に手を合わせたくなる、その空気感、それを「空間」といい、それが建築の「力」、「空間力」なのだと考えています。 建築デザインとは、そのプロセスにおいて、条件を整理し続け、その結果ひとつの答えとして目的を持った物と化す行為そのものと考え、出来上がった物が人と共に成長すると考えています。
「建築」は、「建物」と違い、ただ必要な大きさや奇麗な壁紙といった即物的なものの為に造られたものではなく、目的に応じた「空気感」を備えて、人に相応しい「環境」を造ることなのです。

 時代は変わりつつあります。 従来の新築は、クライアントの考えや個性を表現してきました。しかし、本来、建築の役割として人の為にあるものならば、今やその建築が人と人を繋ぐ媒体となるべきと考えています。 すなわち、住宅に於いても、家族間の人と人や、通り交う人との関わり、街の中の建築として、自然の中の建築として、そこに居合わせる人と人との場の共有を図る為の建築ということです。
よく街を活性化すると言われますが、本当に活性化するためには、人が集まれる場となる建築が求められ、その場に託された、人の生活の目的をサポートする為の建築でなければならないと考えています。
 また「新築」を提唱することよりも、これまで使ってきた財産を、どう活かすかということを考えなければならない時代です。つまり、リノベーションです。リノベーションとは、 今日まで培った知恵を生かし、物の価値を引き出し、財産を大切に継承管理することにほかなりません。人が育まれ、歴史の中で知恵も継承されるという教育姿勢にも影響する課題となっています。   
リノベーションを考える時、新築を考える行為と同じ価値観で必要な場を考えなければなりません。
望まれている生活感を感じるための空間を叶える考え方のうえに、私達の介在が不可欠と信じています。   
 私達は、従来の既成概念に囚われずに、様々な会話、コミュニケーションの末に多角的に話し合いながら、人の為の人と人を繋ぐ、意義ある建築を造り続けたいと考えています。
それが、私たちの建築デザインにおいて、最も大切にしていることです。

これからの建築はさらに地球規模での環境に配慮し、更にサステイナブルで環境に優しく、自然や植物の持つ癒しの力を住む人が育んで行ける、そのようなものでなくてはならないと考えます。