Ryuji Koyama Architect
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浮舟計画 

   オートディーラー本社社屋計画 敷地は尼崎の工場地帯の間にある。 前面道路は国道2号線が通っているが周囲は中小の工場で雑然としている。 外車を扱うディーラーの本社社屋の計画で、古くからこの地で修理工場を営みつつ今日に至っているのでこの地を 離れることは出来ない。

   題名に「浮舟計画」とつけてあるのは、地上5階建てのこの建物の最上階を舟に見立てて計画したからである。

   すなわち、4階以下は海の中、5階のフロアー以外の4階上部トップライトの屋根は、さしずめ海面の表現となる。 その舟は社長室及び大会議室を含み、時折行われるオークション会場にとなる。 舟の下部にはその舟の駆動部が取り付けられている。 つまり、役員を始め、営業企画職のフロアーとなっている。 それを包み込む、水の中となるのは2.3.4階の吹き抜けとなるフロアーで、深海に沈む宝石があるがごとく、 新車の並ぶショールームとなり、前面道路からは大きくなだらかに繋がる階段でアプローチできるように計画した。 1階は修理工場でアフターケアをモットーにしてきたこの会社の基盤がある。

 この建物のデザイン性は海の中となる表現にある。 上記にあるように、敷地周囲は中小の工場で雑然として最もカオスティックなイメージが漂っている。 そのため、ショールームから見せるに耐え難い状況を海の中と見立てることで海に沈めてしまい、外装は深海に漂う 光の移ろいを表現する装置としたかった。 その外装は、カーテンウォールのサッシに天空からの光を入れるための逆ルーバーヲ施し、時間とともに移り変わる 光を表現した。 また、4階の上部トップタイトには、薄く水を張ることが出来るものとして、実際に水を通した光を取り入れられる 構造としている。 人でにぎわうショールームはきっと居心地の良い時間を作り目の前の新車に目を奪われたままそのひとときを過ごす であろう。  

 時折行われるオークションでは、車は一階から屋上階のオークション会場まで通ったシリンダーで運 ばれ、そのシリンダーの開口部を開くと車が自走してくる仕掛けとなっていて、人々は海上のオークション会場で非 日常空間を味わいながら、社交を楽しむことができる。 建物全体はステンレスで覆われていて、シンボリックな表情をもって強くこの地に根付くであろう。