Ryuji Koyama Architect
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よろい格子の家

  本物件は旗竿型の敷地に建つ周囲を隣家に囲まれた典型的な都市型住宅で、家族は 共働きの夫婦とその小学生の子供である。 社会的関心事であるシックハウス等の不安に対し子供が健康に育つ家を求める施主の要望に対し、私は素材や仕上げの吟味ということだけではなく、精神的な意味の健康に対しても配慮した住まいをプランニングで実現できないかと考えた。

  そしてそれは、本来の日本家屋=柱建築の持つ、通気性と開放感および家族の過ごし方というものの良さを現代の都市型住宅に取り込むことのように思われたのである。 住居のグランドレベルで東西に町屋のそれに相当する土間空間を設け、通気性のある木製のルーバーで敷地を囲い込むことにした。防犯の意味をも持つそのルーバーによりプライバシーは守られ、なおかつ内部住居の開口部は常に開け放たれることが可能となったのである。

   ここで重要なのは、都市型住宅の典型であるコートハウスの多くが、各々の個室が内部の中庭的空間に対して開かれるのに対して、本計画では家族3人のパブリックスペースが外に向かって開かれている点である。かつての日本の住まいが持っていた「開け放ちながら過ごす心地よさ」は、例えば両親の帰宅を友達と遊びながら待つ子供にとっては閉ざされた室内で過ごすこととは違う感覚で過ごすことができるのではないかと考えたのである。

   住宅を建てるということは、施主の望む生活と条件を空間というヴォリュームに置き換えていくある種のパズルなのではないかと思う時がある。そしてその答えはただ条件に対するヴォリュームという解答であるだけでは不足で確実に美的価値を持ちえるデザインでなおかつ予想外の喜びを感じられるものを求められるのである。 よろい格子と土間のある家は、光と風が通り自然を感じることができる都市型住宅の1つの解答になったと私は思う。