Ryuji Koyama Architect
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関目の家

集住住宅  この住宅は3世帯が同居するための住宅である。

敷地は一街区の真ん中にあり、プラカード型をしている。前面道路からは間口2m、奥行20mの専用道路からしかアプローチできない。  国道1号線に関目という交差点がある。そこに立つ案内によると、昔このあたりは「森小路」と地名にあるように、森の中に小路のつづく場所であったと示されている。いまや文字通りの下町、隙間もないほどに建物が建ち並んでいる。ふたりの娘をもった両親は、この土地の将来性と経済効果とを考え、娘の二世帯と同居することを希望した。結果的には、 姓を継ぐことよりも女性たちが親子の絆を持って生活する方が自然とさえ感じるという、そんな現代的通俗感が垣間見えるプロジェクトとなった。

 都市と家族、家族と家族、個人と家族のコミュニケーションを玄関とキッチンと光の役割と効果によってまとめてみた。  タラップ型のアプローチが都市との距離を計る。来客には玄関の突き当たりにある可動壁を動かすことによっておのおのの場所へ導くよう仕掛けられている。おのおのの家族に必要とされるものは、リビングではなくダイニングである。各ダイニングは2階のキッチンを中心として動線を絡めて配されている。第1のダイニングは南側に、第2のダイニングは北側に、第3のダイニングはキッチンの中にある。キッチンは2セットを配した共同キッチンとし、階段室と絡めて設置することにより家族間をつなぎ、個人をつなぐ役割をもたせている。  外壁の一部には、波形ガラスとフロストガラスとで二重に構成された半透明な光壁を配した。それは、少ない隣棟間隔からも光を充分に内部に伝えるための役割と、1・2階、2・3階、北側・南側と、各場所、各家族の領域を空間的につなぎとめる役割を持つ。光壁から醸し出される光は、内部の素材を抱擁し、そのときどきの柔らかな影を落とし、浮き立たせ、「時間」の啓示という空間的効果を生みだす。知覚に作用するものは、プランを支える空間なのである。私はそんな形を見つめている。