Ryuji Koyama Architect
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敷地は、都市計画道路に股がったものであった。

 施主は代々この敷地に住み慣れて、老夫婦と同居する若い夫婦が、子供が産まれたことをきっかけに2世帯住宅を提案したことから始まったものである。 都市計画道路に股がった敷地となると、将来的には道路になることが公に示されているものであるが、計画が始まってから既に15年を経過したもので、その計画自体に将来的な見通しが立っていない。 そのことから、施主は、現行の建築基準法に合わせて、ここで股がったまま建てられる方法を尋ねて来た。 方法は、とにかく将来的に計画が始まった時にそれに掛る部分が、切断可能な建築計画とすることである。 まず、その計画道路との境界線をはっきりさせ、そこから計画道路側と残る敷地側という敷地の意味を理解してもらった。 つまり、切断後になっても生活に支障をきたさない程に、最小限にまとめた生活空間と、切断されても構わないという余白と扱ってもいい部屋などを配置することになる。 そう考えると、リビングとは生活上重要性が低い、つまりその重要性のプライオリティーを付けることでプランを考えることになるのだ。 書斎は贅沢なものとなり、玄関と階段は、別に造り直せると考えられる。 その考えを基本に、3階の子供部屋は必要なものと考えるが、2階のリビングとの吹抜け部はどの様にすべきかと悩んだ結果、構造的な処理が必要と考え、最上階に大きな梁を仕込んで、そこから3階床を吊る構造にすることで、切断後も残せる構造形式とした。 結果的には、この文章を書いた20年後の今もこのまま建っていて、部屋の重要性から考えて、最大限に余白を取ることが出来たこの住宅は、玄関、階段、リビング、書斎などに普通考えない十分な広さが出来最小限の機能を備えた、豊かな空間を備えたものとなった。